太陽光の豆知識 ~太陽光の効能~
太陽の光にはさまざまな効能が報告されています。暮らしに上手に取り入れて、健康な生活を。
その2 紫外線について
紫外線
屋外での活動が楽しくなる季節、気になるのが有害な紫外線。太陽光の中で紫外線は、カルシウムの吸収を良くするビタミンDを体内に生成させ、骨や歯を強くしたり、女性が乳がんにかかりにくくなったり、皮膚の免疫組織に働きかけ、慢性の皮膚病に効果がある等々人間の健康にとって有益なものである一方、日焼けやシミやシワ、更に皮膚がんををおこすなど有害でもあるのです。紫外線を正しく理解して、その対策を十分にし、屋外での楽しい時間を過ごしましょう。
紫外線の種類とその性質
紫外線は波長の長い順に、A,B,Cの三種類に区分けされます。人の浴びる紫外線の90~95%はA,残りはBですが、波長が短いほど作用が大きく、BはAの千倍も有害だといいます。紫外線Bは、九割が表皮で止まりますが、細胞内のDNA〔遺伝子細胞〕を直接傷つけて変異を起こし、皮膚がんになる可能性を高めます。一方、紫外線Aは皮膚の深い所まで届きます。肌の水分保持に役立っているコラーゲン、エラスチンという線維成分を分断・変性するため、弾力を失わせてシワをつくります。
紫外線の性質
紫外線にはまた次のような性質があります。
- 薄い雲ではBの80%以上が透過し、屋外では太陽から直接届く紫外線の量と、空気中で散乱して届く紫外線量がほぼ同程度です。
- 地表面の種類により紫外線の反射率は大きく異なります。(新雪:80%,砂丘:10~25%,コンクリート:10%,水面:10~20%,草地、芝生、土面:10%以下)
- 標高が1,000m上昇するごとにBは10~12%増加します。
- 建物の中では屋外の10%以下の紫外線があります。
有害紫外線対策−1
生涯に受ける紫外線量の半分は屋外に出る機会の多い十八歳までに浴びるといいます。皮膚がんやシミなど、紫外線の影響は大人になって出てくるので、赤ちゃん、子供のうちに防御する必要があります。ベビーカーは日よけをし、帽子をかぶります。足の日焼けにも注意し、日焼け止めをこまめに塗ります。大人も、つばの広い帽子やサングラス、日傘などを活用し、必要に応じて日焼け止めを塗ります。男性も、将来を考えて気を配ったほうがよいでしょう。
有害紫外線対策−2
近年有害な紫外線から大切なお肌を守るために、化粧品の一部としてさまざまな日焼け止め(サンクリーム)が発売されています。これらにはSPFやPA+といった表示がついています。
SPF(Sun Protection Factor)UV-B対策
日焼け防止効果を示す値、数値が高いほど効果が高いとみなされます。但し、塗布量や化粧くずれ等で効果が低下します。
SP (Protection Grade of UV-A) UV-A対策
即時黒化(主にUV-Aにより一時的に皮膚が黒くなる現象)を利用したUV-Aの防止効果を示す指標です。PA+の+の数が多いほど効果が高いとされます。
お肌のタイプに合わせ、こまめに日焼け止めを用いることがポイントです。
スキンタイプ1 赤くなるが 黒くならない |
スキンタイプ2 赤くなって 黒くなる |
スキンタイプ3 すぐ 黒くなる |
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日常生活など (~1時間) |
SPF10 PA+ | ~SPF10 PA+ | ~SPF5 PA+ |
散歩や外出など (1~3時間) |
SPF PA+++ | SPF20 PAS++ | SPF10 PA+ |
屋外での レジャーなど (~1時間) |
SPF50 PA+++ | SPF30 PA+++ | SPF20 PA++ |